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「2025年」迎え、現場支える多様な実践 ほか

2025年1月1日

「2025年」迎え、現場支える多様な実践

 団塊世代が75歳以上に達し、介護・医療をはじめとした社会全体に深刻な影響を及ぼすといわれ、注視されてきた「2025年」をいよいよ迎えた。

 超高齢化とともに問題視されていたのが生産年齢人口減少。これまでも将来を見越して介護従事者処遇改善が繰り返し行われてきたが、担い手不足は好転するどころか、深刻さを増している状況だ。

 そうした中で、現場にもさまざまな変化が見られる。限りのある人材を最大限活用する観点から、ITによる業務効率化・生産性向上ほか、高齢者や外国人に人材の裾野を広げる取り組み、誰もが働きやすい職場環境整備などが各地で展開されている。現場を支える多様な実践例を取材した。



送迎業務支援システム導入 計画・ルートをAI自動作成 函館・デイ白ゆり美原

 函館市内で最大規模となる定員70人の通所介護「デイサービスセンター白ゆり美原」は、送迎計画とルートをAIで自動作成する業務支援システムを2024年4月に導入、送迎業務にかかる手間や時間効率化を実現している。1事業所で先行導入し、3カ月後には市内と近郊全4事業所に拡大。24年12月からは、札幌市にある同グループ通所介護3事業所でも導入した。



旭川市 行政主導で「ケアサポーター」導入推進 12事業所、20人余就労

 旭川市は2024年度、介護助手(ケアサポーター)導入推進事業に着手した。担当コーディネーターを配置し、行政主導で市内介護施設・事業所に向けてケアサポーター活用を呼び掛ける説明会を開くとともに、元気高齢者がライフスタイル、体力に合わせ柔軟な働き方のできる利点をPRする市民向けセミナーを開催。双方をマッチング、24年12月末までに市内12事業所で20人余の就労につながった。



人材確保と定着「両輪」注力 江別市・特養静苑ホーム

 江別市・北海道友愛福祉会の運営する特養静苑ホーム(定員165人、うちショート15人)は新卒職員育成システムを充実させるとともに、女性の働きやすさにも配慮。ライフプランに応じた柔軟な働き方を制度化するなど、人材確保・定着につなげている。2023年には特養内にHOL(Happiness Of Life)課を設置して、働きやすい職場を追求する姿勢を明確化、利用者QOL向上を前提に職員の幸せも位置付けている。



留学生サポート「国際交流センター」開設 札幌市中央区・西野学園

 札幌市の学校法人西野学園は同市中央区の法人本部内に国際交流センターを2024年4月に開設した。留学生受け入れ体制を整えるとともに、日本での学びと生活をサポートしている。近年の留学生増加を受けた対応で、少子化時代の学生確保も視野に入れつつ、介護人材の慢性的不足に悩む道内介護事業所、医療機関に人材を輩出することで、地域社会へ貢献を目指す。



全国介護技術コンテスト 石狩翔陽高が最優秀賞受賞

 石狩市の石狩翔陽高校が第11回全国高校生介護技術コンテスト(全国福祉高等学校長協会主催)で最高賞に当たる最優秀賞(文部科学大臣賞)に選ばれた。道内初の快挙で、生徒たちは「授業、通所介護などのインターンシップで学んできた成果を生かすことができた。将来は福祉・介護で活躍できるようになりたい」と喜んでいる。

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