マイナに完全移行初日、大きなトラブルなく―道内病院
有効期限が切れた従来の健康保険証での受診からマイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」か、マイナ保険証を持たない人に発行される「資格確認書」のどちらかを提出す る仕組みに完全移行した1日以降、道内の多くの医療機関では大きな混乱やトラブルもなく事前の対策が奏功した格好だ。知らずに保険証を持参した高齢者には事務職員が丁寧に対応した半面、「この1カ月は多少の混乱はあるかも」と推移を見守っている。
多くの病院では、定期的な通院患者や高齢者に知ってもらうよう、これまで外来の窓口で職員が説明したり、張り紙やチラシで完全移行を伝えたりしてきた。
1日の土曜日に外来診療を受け付けた札幌市北区の大塚眼科病院(北明大州理事長、52床)では、「月末まで に資格確認ができれば問題ない」と職員に周知してきた。そのため当日、マイナ保険証や資格確認書を忘れた通院者には、「後日に写しのFAX送信を促し、お年寄りにはマイナ保険証の登録方法や使い方を案内した」(桑名秀 司事務長)。
厚生労働省は、8月以降に期限切れ保険証を持参した場合、従来の保険証を忘れた際の対応を取るよう医療機関に説明していた。通院者は原則として一時的に全額を自己負担し、後から自分が加入している保険者に申請して7―9割の還付を受けることになるとしていた。
市立札幌病院(西川秀司事業管理者、田中博院長・672床)のマイナ保険証利用率は、5月の 最新データで69% を占める。事前にポスター掲示や問い合わせがあった際に備えて厚労省作成のパンフレットを配備しておくなどの 準備を行ってきた。
富良野協会病院(古川博之院長・255床)や、あかびら市立病院(渡部公祥院長・99床)では、事前に職員に対し てマイナ保険証へ完全移行に向けて対応方法を周知。院内で対処法を共有していた。
東小樽病院(中垣卓院長、117床)は、院内で以前からマイナ保険証を利用するよう理解に努め、札幌市白石区 の東札幌病院(日下部俊朗院長、243床)も院内のポスター掲示に加え、7月末にホームページで周知していた。
札幌市中央区の札幌南三条病院(西田憲策理事長、小場弘之院長・99床)も、医事課が院内メールで全職員に完全移行を改めて周知し、起こり得る混乱に備えていた。しかし大きなトラブルはなく、齋藤尚志事務部長は「患者 も情報を得て、準備をしてきたのではないか」と推察する。その半面「この1カ月は多少の混乱があるかもしれな い」と見込む。
札幌市東区にある札幌禎心会病院(徳田禎久理事長、271床)の山下渉事務長も「定期的な通院がない若年者らが知らずに来院した際には戸惑う人がいるかも」と心配する。
週明けの3日から外来診察を始めた北広島市の輪厚三愛病院(對馬伸泰理事長、村上研院長、146床)では、 これまで外来受け付けや院内の張り紙で、完全移行を伝えてきた。顔認証付きカードリーダーでの読み取りに戸惑う高齢者にはスタッフが丁寧にサポートした。島谷清張事務部長は「紙の保険証を持ってきた患者にも、次回持ってくればいいと、不安を煽らないよう」に対応。「若い人はマイナ保険証がほとんどだが、高齢者には浸透してい ない。今後お伝えをしていきたい」と話した。
札幌市南区の南札幌クリニック(石井吉文理事長・19床)も3日が初日。松下修事務長は「特にトラブルはなくスムーズに業務が進んだ。8月からの対応は事前に受付担当者等と認識を共有し、何かあった場合の連絡先なども 確認した。多くは通院患者で基本的には月変わりの保険証の提示と同じ対応」と話す。マイナ保険証に移行している患者はおおむね7―8割で今後、従来の保険証やマイナ保険証忘れなどのケースも想定されるが、臨機応変 に対応していく考えだ。
札幌平岡病院(藤井亮爾理事長、石川清文院長、240床)の藤井栄一事務長は「かかりつけの患者さんばかり。 3日午前は全員がマイナ保険証だった」と振り返った。
札幌市厚別区にある新札幌パ ウロ病院(中山信理事長、高階俊光院長・393床)の宇野田毅医事課長は「7月中に従来の保険証を持ってくる人はほとんどいなくなった。外来は高齢患者が多く、マイナ保険証が5割、資格確認証が5割と半々。8月からの完全移行について、院内に掲示物、受診時に窓口で伝えてきたが、一部には理解 してもらえない人もした。医事課では何かあった場合のために、シミュレーションを行って、意思共有してきた」と説明する。その一方で「資格確認証が使えなくなってからの対応がどうなるか。そこを一番心配している」と頭を悩ませている。
